あなたはオレの鎖だった 世界とオレを繋ぐ 唯一の はぁっはぁっ クソ…汚ぇな…ゲロ吐きそうだ おい クソガキ どうやら俺達は全く 歓迎されてねぇようだが? チッ…… まだ使えるか 一匹二匹… さて…どうしたもんか おっと な…… 俺達を無視した!? 振り返ると 壁の中は地獄だった ……っんだこりゃあ… 気持ち悪い おいエレン… さっさと起きて 説明しろ つっても どうせ 覚えちゃいねえんだろうな… 起きろ! 脳まで同化したか? お… れが… あ? オレが…… ……いで…… 穴を オレが 塞いで…… は…… まだそんな 悠長なことを これだから ガキは嫌いなんだ 星たちは知らなかった 自分がどこに位置するのか 月は知らなかった 自分がいかなる力を持つのか オレは巨人になります そうだオレが殺すんだ 巨人を一匹残らず この手で それがオレの 償いだ え? また壊れちまった あと一歩で 女型の巨人を 仕留められたのに !! 一体なんの 償いだ? 何も見えない 何も聞こえない オレは今 何をしている? ……… ここは…? 起きたか 兵長! オレまた記憶がないんです 途中で襲ってきた 巨人はどうなりましたか? ここはどこですか? これを着ろ 出るぞ 下の出入口は 雪で塞がってる 雪!? ここは一体 さむっ ……… 旧ユトピア区 巨人も人もいない世界だ 降りるぞ なぜ最北端のここに? ……あの… 他の人は …… 持ってろ ? 今から壁を登る 俺に掴まれ えっ グズグズするな はいっ うわっ すげぇ…垂直移動… 見えるか? 中央の壁の中… 巨人で溢れてんのが 下は火の海だから 熱くて嫌なんだろうな… ……はは こんなやり方があったなんて すげぇ…… 巨人が燃えてやがる… ここの街を見ろ ! ここは5年前 放棄された区だが… 元々巨人が少ない 地域だった ローゼに移住するよりも ここに留まる選択をした人間も少なからずいたようだが ……どうやら… 全員ラガコ村みてぇに 巨人化したらしい ……… アイツとかアイツは 巨人になりそこねて 置いてけぼり くらってやがるがな 他の巨人は中央に 向かっていった は…? 巨人が自ら焼かれに行ってる? どうして? 無知性巨人が仲間を助けるに? ありえない ……誰かが中央に閉じ込めて壁の中に火を放ったんじゃないのか? 兵長 オレには何がなんだか… 分からねぇよな 俺にも分からん ただここから見えるのは 地獄の釜が茹で上がってる 最悪の状況だ まさか人類は… 模擬訓練通りに ウォール・シーナの 旧地下都市に いるとしたら もう一週間以上 経ってる だったら! 助けに行かないと! なんでこんな所に いるんですか? そりゃここ(北方地区)に 巨人はいないけど! オレ達が…いや調査兵団が 逃げてちゃダメでしょう! 今中央に戻れば まだ地下に誰かが 生き残ってるかも知れない ……… オレが巨人になれば 船だって城だって 作れます! 調査兵団がいれば… エレンよ じゃあ なぜここに来た? ガリッ ……え? こんな所に俺まで 連れてきやがって… お前のしたいことは何だ? オレが…? お前は何か意味があってここに逃げて来たんじゃねえのか オイ…さっさと答え… オレだけ 逃げてきた…? なんで…? ……… …さっさと コートをよこせ グズ野郎 ……寒いだろうが… ここはクソ寒ぃが 水だけは苦労しねぇな 問題はこの雪を溶かす燃料だな… ……兵長…… ミカサやアルミン達は… 知らん 団長やハンジさん達も 死んでしまったのですか おそらくな 一応信煙弾も音響弾も 使ってはみたが 応答はなかった 馬も犬もいない 伝達手段がない以上 組織は機能していないと 判断すべきだ あの、あいつらは いや他の団員は巨人化 してないですよね…? ……だといいな… 兵長はしてない じゃないですか 俺はお前の口の中に 入れられて 揺られていただけだ おかげでずっと ゲロ吐くのを堪えていた ……どうしてそんな 淡々と話せるんですか これ以上ない程の クソな現状を 確認しているだけだが? 焦って動いても腹は減る 食料と燃料確保に 今は努めろ それとも 死にたくなったか いいえ オレはまだ 巨人が一匹残らず死ぬのを この目で見ていませんから お前… 気持ち悪いな あんなのをずっと 見ていたいのか 俺は吐き気がするぜ 期限切れですかね?これ 食えるだろ ……凍ってます… 何もねぇよりマシか… 缶詰でもありゃ よかったんだが あっネズミ 兵長 ネズミ食ったこと あります? てめえ… 自分の舌で今すぐ い…いえ… 確かめてみるか? ……煮ても焼いても 不味そうだな 信じられます? これがオレたちの 始祖なんですって …は? 本当かどうかは 分かりませんけど アルミンの じいさんが持っていた 「進化」という本に そう書いてありました どうみたって違えだろ… こんな毛むくじゃらの奴が …汚ねぇな… 毛むくじゃらの… ……? エレンさっさと食わねぇと… 兵長 さるってなんでしょう? ……… 知らねぇな…… ……ですよね ここは現地の駐屯兵団が使っていた書架だ 没収した焚き書もあるようだ 分からなければ 知ればいい だが俺はあいにく メガネでもアルミンでもねえ お前が自分で調べろ はい お付き合い頂いてすみません 別にいい 時間も腐るほどある 仕事の少ないここにしちゃ やけにでけぇ書蔵庫があると 思ったが まさか禁書を焚かずに そのままだとはな… キナ臭ぇ連中だ 雑に保管してありますね ……大方 反逆罪上等の変人が いたというより 燃やす油を ケチったんだろうな… 兵長はこういうの 読んだこと ありますか? ない …オレも小さい頃から 本読むより体動かすほうが 好きでした つってもケンカばかり でしたけど ……だろうな あれ? 兵長今ちょっと笑いました? ……… 笑ってましたよね? 無駄口叩く余裕があるなら 俺は帰るぞ えっ ちょっとまだ待って下さい! 一人じゃ怖…暗いです! ……〜っ ……… 初めて見た こんな兵長 子供の頃はこんな感じ だったのかな…? 兵長に対して そんな風に思うの 変か…? 変だろ うん へんだ っくし! オイ… 風邪引いても 薬なんてねぇぞ もっと寄れ し、失礼します… チッ …くせぇな… …すいません 風呂入りたいですね… 思い出した!兵長! ユトピア区には 温泉があります! なに? 安心のアルミン情報です よし 明日は最優先で 探索に行くぞ 決断早っ テメェの脳みそよりかは 信用できる そんなあ… オレだって考えてますよ それで? さるがなんだか分かったのか? ……まだ、ですけど…… そうと決まれば さっさと寝るぞ えっちょっ 兵長寒いんですか? 子供体温 ……そうですかい…… 兵長 あなたも 子供の頃は 暖かったのでありますか? エレン 俺を食うのは どうしても 腹が減ってからにしろ だとしても 人肉はネズミより 不味いという噂だが… 違います! そんなつもりで… どうだかな てめぇは腹が減ったら 木でもなんでも 食っちまうじゃねぇか 兵長! ……兵長だって オレの気持ち ご存知でしょう オレは兵長に… あ、憧れ…て… いるんです… ……… もうそういう目で 俺を見るのはやめろ ……いや 今のは俺が 迂闊だったな は? 状況が変わった 過去にも好きだの 抱いてくれだの 抱かせろだの 言ってくる奴がいなかった わけじゃねぇ オレはそんな! おっとガキには 直接的すぎたな ………ッ 別に俺は仲間から どう思われようが どうだっていい 生きてさえ くれりゃあな そいつらの生きて 戻ってくる理由とか… …力になるのなら 畏敬だろうが 侮蔑だろうが どんな感情でもいい 持つことを許してきた お前だけ許可しない わけにもいかん ……… だが今はもう 俺とお前だけだ こんな地獄に なっちまった世界で どうして俺が お前の幻想にまで 付き合ってやらなきゃ いけない? 今必要なのは 俺の虚像じゃなくて 現実だ ここでの生き方を考えろ お前は死にたくねぇんだろう? ……… はい…オレは… ……死にたくないです…… 好意を持つことすら 許されないのか そもそも 許されるはずがねぇんだ 次の日の探索は 日暮れまでかかった その間兵長とは 何も話さなかった 夜になって迷えば 凍死するかも知れないのに 旧市街地に戻りましょうと 言い出せなかったのは ここがあまりにも 何もなかったからだ へいちょー! 兵長ー!! ありました! 案外早く見つかったな あっつ あつつつ っあ〜〜〜 ……生き返るな 兵長おっさん臭いです おっさんなんだから 仕方ねぇだろ 筋肉痛が三日後に… ねぇ兵長 ……オレ 世界の終末って もっと悲惨な物かと 思っていました 実際はこんなに穏やかで 綺麗だったんですね… 俺は嫌だけどな…… あれ?意外です 兵長綺麗好きじゃ ないですか 星がカビに見える ハハハ… 全然戻る気配ないから オレはてっきり… ここで死ぬつもりなのかと バカ言え 無駄死にはごめんだ まだ生存者がいる 望みをかけていたんですか? ………バカだと思うか? まぁ…お前の言うとおり足あと一つ… いいえ 好きです 尊敬してます 愛してます あなたの部下である事を 誇りに思います ……!? 気持ち悪いこと 言うんじゃねえ 風呂入ってるのに 鳥肌立っただろうが ……なのに どうしてオレは 兵長を連れて 逃げてきたんでしょうね? はっ… 年頃の女をいっぱい 連れてくりゃあ 今頃ハーレムだったのにな ……… どうしてオレは… 兵長を道連れに しちまったんだろうな… …… エレン 単純な事だ あの場には俺しか 生存していなかった お前は死にかけの人間を一人 助けただけだ そこに特別な感情なんてあると思うか? 俺は思わない いいか? 状況は最悪だ 俺はお前が寝ている間に 散々嘆いた 本当にネズミが人間に なるってんなら 見せてみろ ここから這い上がれ 兵長 それは昨日オレが 「生」を選択したから ですか? そうだ なら 間違っています 逃げていい事なんて 一つもないですよ! こんな所に隠れてたって 戦わなきゃ 生きている意味もない! オレと一緒に戦い… オイ… フルチンで暴れるな ! なんで勃ってやがんだ だから! オレは本当に あなたが…! なぁ お前……俺に 火の海飛び込ませて 一発ヤりてえのか? 一人でシコってろ 豚野郎 は…… なかなか気分がいいな 部下に対して こんな風に言えたのは 初めてだぜ… …… ………レに… オレに 命令するな あ? じゃあなんでオレを 殺さなかった! こんな所で! 誰もいなくて! 何もなくて! 寒くて! オレの意思にも 気持ちにも 付き合う気は ないくせに! ……! エレン! 見て下さいよ 起きてからずっと 噛んでも噛んでも 巨人になれないんです 何をしたらいいか分からなくて… ……巨人に抗いもしないで 生きろだなんて…… ここは綺麗だけど、 ただの家畜小屋だ 奴らと戦いたくて 泣く奴なんて初めて見るが お前はそうだろうな… 巨人になったお前の指は… クソ硬かった 硬質化した後は 負担が大きいのかも知れん まぁ今すぐには無理でも 回復すりゃそのうち 巨人になれんだろ… …つっても 腹が減ったままじゃ 気力なんて出ねぇよな そうか 兵長はオレが用意した 綺麗な家畜小屋の キレイな餌なんだ 腹が減ってんじゃ 言っとくが これだって 部下にくれてやるのは 初めてだ 不味くても 俺は知らん …ぐっ… エレン、もっと…ゆっくり… あっ ……っ! エレン 無理しなくていいぞ いえ 大丈夫です あぐっ うっ 巨人はオレ達 人類の自由を奪った でももっと悪いのは 戦う気のない 調査兵団の 兵士長だ ドブの臭いって こういう臭いですか? 吐き気がします ……ちがう この匂いは… 鉄? …エレン エレン! どんなに相手が 憎らしても悪くてもね 突っかかりゃいい ってもんじゃないんだよ! あんたは男だろ? たまには堪えて ミカサを守ってみせな! でも… でもオレは… オレは母さんを 守れなかったよ 母さん、オレは… ……うう…… エレン…? オレは…っ 誰一人 守れなかっ… 兵長は悪くないのに わるいのは オレ… オレが みんなを… うわああああん ………ガキ 君がいてよかった ひとりぼっちでここにいたら気が狂いそう 殺すべき巨人はいない 守る人間も 殺らなきゃならねぇ人間も 何もないここは まるで楽園のよう はは… エレン! さっさと降りてこい! 飯探しにいくぞ! はい! ……さる… ヒト…… ケホッ ばしっ いたっ お前本当に 狂っちまったんじゃ ねえだろうな? 朝から晩まで本ばかり 読んでやがって… 本ばっかじゃないですよ は…… それ以外は壁の上で 釜茹で地獄をみるのが 趣味か? 変態 兵長こそ少し 休んだらどうでか? 椅子でばっか寝てないで ゴホッゴホッ 風邪か? うつすなよ しっしっ 大丈夫です 寝れば治り… なら寝ろ 毛布一枚しかないし! これじゃ兵長が… お前はバカか? 風邪は引きかけが 肝心だろうが それと もうその兵長 ってのも… ……兵長 今日特に寒くないですか? 感染るだろうが… ………っ テメェは… こういうの 吐き気がするんじゃなかったか? 自分からするのはいいみたいです 殺すぞ 怒らせてしまった 歯の音がうるせぇ それに…… あの時を思い出す ? お前の口の中に 入っていた時は 熱くてベタベタで 最悪だった …だがまぁ… 臭くはなかった 食われかけたことは 何度もあるが いつもゲロ臭くてたまらねぇ へぇ… オレの場合アニの時は 気を失った後で アルミンを助けた時は必死で… あれ? 兵長痩せました? あ?そうか? ですよ! ……不思議だ 兵長はオレでも知らない オレのことを知っていて オレもリヴァイ兵士長がしらない兵長のことを知ってる もっと知りたいです 俺の知らない俺を お前がか? はい 幻想じゃない 現実を 臭くてびっくりするぞ… 巨人の血は蒸発しちまうが 風呂に入ったって 人の血の匂いは取れねぇ もう何年も前からな それで? ……そうやって いくら血を払っても無意味だった 人間の無力さを確認した俺達は 15メートル級の たった一体の巨人を盲信した そいつが人類の反撃だと信じて 皆命を投げ出して その狂気に身を預けた だが 絶望的な状況でもなお 戦意を失わなかったのは… エレンよ お前の意志の強さに 酔っていたからだ ……やめ…… たった15歳のガキに 縋り続けた そんな奴が迷子に なっちまったガキの手を取って 今さらここにいろなんて 格好良すぎてクソ漏らしそうだ それでもいいです クソ漏らして震えてても 兵長なら嬉しい 子供みてぇ ちっちゃくて 頼りなくて 可愛くて オレが守んなきゃって… 思っちまいますよ? でも アンタはお人好しだから そう思える人が たくさんいたんでしょうね …… ………俺は…… もう黙って …っ… ………ぐっ…… てめぇ…前の時も思ったが… その鍵外せ 冷たてぇ ああ…これ 外気に触れると すぐ冷たくなりますよね じゃあ兵長が持ってて下さい ……… いらん いい年して後生大事に 持ってられるか そんなの持ってたら まるで俺が… 兵長力抜いて あっ… わかん、ね こんなの、 なかま、と… しねぇって つった だろうが…っ んん……! ……… 大丈夫ですか? …ああ 問題ない… 少し休めば… オレは自分に対して とても無知だけれど 一つ確信がある この人の健気な言葉が オレを化け物にする まて、エレン、まだ… あ、ぐ………ッ! ……… ゴホッ ゴホッ ……朝か… あの晩が 原因かどうかは 分からないが エレンの風邪は 日を追うごとに 悪化した ゴホッゴホッ 気分はどうだ へ、兵長…暖炉 消さねぇと… もう薪が… ああ こっちの迷惑も考えろ 分かったら おとなしく寝てろ 薬を探してくる ……… 雪降ってるのに オレが空けた壁の穴も もう雪で塞がってんのか ごそっ ……え……? 俺に医学の知識があれば 風邪薬の一つでも見つけてやれたかもしれない クソが…ッ  こんな時にまで無知は無力であると思い知らされる たしか… エレンの父親は 医者だったな… エレンに見せれば 何の薬か分かるか? オイ… うろちょろ するんじゃねえ 感染症 持ってきたら 殺すぞ ………フン 兵長 テメェ…… 寝てろつっただろうが まだ反抗期か? 教えてください オレが兵長を食ったのは ミカサを 守れなかった時… ですか? ……… オレの「叫び」の力は ハンネスさんを… 大事な人が殺された時に 発動しました だから…! エレン ………命令だ さっさと戻れ ガハッ ゲェッ 大人の言う事 聞けねぇガキは クソして寝ろ …ぐっ… ……ッ! オレは ミカサを 守れなかった時 巨人に 『お前ら全員死んじまえ』と 差し向けた 違いますか? 離せ 俺が必死こいて うなじから取り出しても まだ呑気に 穴を塞ぐだのなんだの 言ってたような奴が… しまっ… やっぱり ははははは! ははははは! エレン! オレが! 地獄の釜に蓋をした! 壁の中から 逃げようとする 僅かな人間も! 巨人で塞いだんだ! 俺があいつらに 命令したもんなぁ 『壁の穴を塞げ!』と! エレン! 憶測で判断するな! ははは… なんだよ… なんッなんだよ… オレは…! これじゃ本当に 悪魔の末裔 じゃねえか! 兵長…… ……! あなたはオレの 「大事な人」ですか? ……… ……何かを変えることの できる奴は 命を投げ出して 人間性を捨て去り 大事なものを 捨てることが できる奴だと 俺は知っている ………つれねえ質問だな 体まで繋げた仲じゃねえか なぁ エレン そういう奴が まさか何にも捨てられねぇ 自分だとは知らなかった 俺を殺して叫べ それでコイツが 巨人以外の何者かに 変われるのなら もう一度あのクソ熱くて ベタベタの中に 入ってやってもいい ……… …ベタベタ… …の前に温泉 はいりてえな… 本当に来なくて 良かったんだぞ フラフラのくせに 兵長には… オレの復讐に お付き合い 頂いてるので… なぁ お前のソレ熱いのか? 蒸発してんだろう? 温泉みてぇだな… 羨ましくはねぇが ……本当 よく喋りますね そうだ さるも温泉に 入ってたらしいですよ 本に書いて ありました ふん んだそりゃ… まるで人間じゃねえか ……… 相変わらず 勘がいいですね オレ達は猿なんですよ 命はうみから生まれて 陸でネズミや いろんな動物を経て 猿から人になった 知ってました? ……知りたくは なかったな… じゃあ何か…? あの毛むくじゃらの巨人が 俺達の先祖だった…てのか? ロクなもんじゃねえな 信じられませんよね ああ おかげですごく 眠たくなったぜ エレン 今度はしくじるんじゃ ねぇぞ 一匹残らず 駆逐してやれ ………… あの…… こんな時になんですが ありがとう ございます は…? 人類の犠牲になってくれて、 という意味なら 遅すぎるが? あ、いえ なんていうか 今一瞬 駆逐のこと 忘れてました あぁ!? 最近 兵長の目のクマ すごいから ぐっすり寝てくれるのなら それもいいなって… 俺は犬死にか それで… 今までろくに寝ないでこの人 オレを守ってくれてたん だなぁ…と思い出したら 感謝の気持ちが溢れてきて オイいい加減 人の話を聞け もっと 一緒にいたかったな… ! やっぱりオレは 兵長を愛してます ふざけんじゃねぇ… ……どっか 行っちまうのは いつもてめぇの 方だろうが… 何度もしつこく 下らねぇこと 言いやがって… 寒いの? 震えてる 戯言はもう十分だ! とっとと食え! だから信じてください! オレはアンタを…! ……… ……お お腹すきました…… よし お前はそういう奴だ この方が余程 信じられる クソ…… そうだ兵長 いっそ こんな世界 ぶっ壊しましょう ………? 巨人もネズミも 海も山も 全部壊して 自由の翼の上に 屍をのせて それでもし人類が… いやオレが勝ったら ―――――て くれますか? ………わかった 約束しよう だから早く 俺を食え いい加減 ガキが腹すかせて 泣いてんのは 見てて辛い ごめんなさい…… 俺には謝らなくていい 言い忘れていたが… 割りとこっちも 悪くないと思っているぞ お前と共に在るのはな 氷の楽園から エレンは叫んだ 世界を滅ぼす声が 世界中に届くように エレンは叫んだ 力いっぱい 叫んだ 太陽は知らなかった 自分の住むべき場所を 星たちは知らなかった 自分がどこに位置するのか 月は知らなかった 自分がいかなる力を持つのかを 陽の光は雲に覆われ続け 大地と海の大半は凍ってしまった 長い 長い氷河期だった この美しい世界に さようなら 20xx年 前方1キロ先 何かあります 注意してください またマンモスか? なんだ コイツは……? 巨大な人の形…? いや… 怪物……? かれらは陸(おか)で見いだした 力とぼしく 運命のない 2人の人間を